エステリアでの冒険から半年。アドル・クリスティンは,勇者の救いを求める「びんづめの手紙」を見つけたことをきっかけに,樹海におおわれたセルセタ地方に足を踏み入れた。謎の遺跡,赤く染まる湖,古代の英雄伝説,樹海にうごめく邪悪な影。そして古代超文明の力のカギをにぎる有翼人とは?(パッケージ裏のストーリーより)
トンキンハウス開発のスーパーファミコン版YS4です。原案、およびBGMはファルコムが制作しています。
ストーリーですが、元々ファルコムの案というものがごく簡素な内容のもので、かなりの部分は開発側に委ねられています。その点このソフトでは、公表されている原案と見比べてみるとある程度忠実に再現してはいるものの、それ以上の物にはなっていないようです。もう少し練り込みが必要だったのではないか、という印象があります。たとえば、ルタが「翼の女神(恐らく有翼人)」と「二人の女神(フィーナとレア)」についての疑問点について語るのですが、結局その謎は解明されずに終わります。原案自体が詳しく触れていないために、こうなったのかも知れませんが、もう少し核心に触れるべきだったと思います。
システムは、今までのイースシリーズで最悪・・・。バランスが悪すぎます。敵キャラの移動スピードが速すぎたり、経験値とGOLDの比率が不釣り合いだったり。システムの開発やバランス調整にはもっと気をつかって欲しかったです。それと、キャラクターが会話シーンで、跳ね上がりながら話したり、クルッと一回転してからセリフを言ったりするのはとても目障りでした。場面をもう少し考えるべきです。シリアスシーンでキャラが回られると感情移入度が激減します。グルーダが飛び跳ねながら話をする、というのもイメージが違いすぎました。
BGMは作曲をJDKが行っていることもあってかなりいいできです。とは言ってもスーパーファミコンの音源の性能を十分に引き出している曲はごくわずかなのですが、もともと曲自体の出来が良いので評価が高くなっています。収録されている曲の中にはPCエンジン版やCDなどに入っていない曲も数曲あります。これがJDKによるものなのか、トンキンハウスの方で作曲したのかは分かりませんが、レベルは他の曲と同等なので聴く価値はあると思います。
グラフィックは、まぁ並程度でしょうね。一応、オープニングとエンディングにはビジュアルがあります。キャラクターデザインはかなりファルコム原案に忠実に行われており、リーザのデザインなどをPCエンジン版と比べてみると面白いかも。マップで使用されているグラフィックに関しても「普通」の域を超えてはいない感じです。
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ストーリー |
★★★☆☆ |
システム |
★☆☆☆☆ |
音楽 |
★★★★☆ |
グラフィック |
★★☆☆☆ |
忠実度 |
★★★★☆ |
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