アドルの冒険日誌・番号の謎

 基本的にイースシリーズには、1〜7までのナンバーが振られています。
 そしてこの点に関して、イースV説明書のプロローグに興味深い記述がありました。アドルの冒険日誌には「イース」から数えて幾つ目の挑戦であるかが記されている、というのです。そして「失われた砂の都ケフィン」は「イース」から数え、5番目に体験した大きな冒険、となっています。
 しかしここで、これらの番号に関して厄介な疑問が発生します。
 まずは時代順に並べてみましょう。

年代順

冒険日誌の番号

サブタイトル

冒険日誌名

ゲーム

ANCIENT YS VANISHED

イース 失われし古代王国

イース、イースII 

不明

MASK OF THE SUN

セルセタの樹海

イースIV

不明

WANDERERS FROM YS

フェルガナ冒険記

イースIII

失われた砂の都ケフィン

失われた砂の都ケフィン

イースV

不明

THE ARK OF NAPISHTIM

翼の民を求めて

イースVI

不明

なし

アルタゴの五大竜

 イースSEVEN

 こうして見ると明らかですが、普通に考えた場合、イースVは5番目ではなく4番目の冒険になってしまいます。
 もっとも、まだ未公開の冒険が間に入っている可能性もありますから、イースVを5番目に合わせることは可能です。しかし、イースIIIとイースIVは時代的に番号が逆であるため、どう解釈しても番号通りの順にすることは不可能です。

 こうしたことから、ゲームに付されているナンバーと、イースVのマニュアルが述べている「冒険日誌の番号」は別のものであることが分かります。イースVにおいて5番目の冒険だったのは偶然に過ぎず、冒険日誌に記されている番号は、ゲームのナンバーとは無関係なのでしょう。
 そう考えれば、イースIIIが3番目である必要もなく、番号に関する謎は一応解けたことになります。

 では、イースV以前のまだ語られていない冒険は、どの位置に入るのでしょうか。
 II〜IIIの間にも余地があるにはあるのですが、IVの時期がSFC版(IIの半年後)とPCE版(IIの2年後)で異なっているため、どちらかを否定する形にならざるを得ない状態です。恐らくこの部分に新たな物語を挿入することは難しいでしょう。
 ですから最も可能性が高いのは、イースIIIとイースVの間だと思われます。この部分は特に設定上の制約もなく、未公開の冒険を組み入れるにはちょうど良い位置です。

 ところで、SFC版イースIVのパッケージ裏にはこんな言葉があります。
 「アドル、4回目の冒険が今、その幕を開ける……」
 いや、プレイヤーにとっては4回目でも、アドルにとっては2回目のハズなんですが……。
 これはかなり苦しいですが、プレイヤーの視点から見て4回目という意味に考えておくことにしましょう。


 
 
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