ブランディッシュ

 PC-98シリーズ用として発売されたブランディッシュは、当時のパソコンにはほとんど移植されなかったものの、唯一移植されたのがこのFM TOWNS版です。
 当時、TOWNS用ソフトは大抵CD-ROMで供給されていましたが、ファルコムのソフトはすべてフロッピーディスク版のみとなっており、CD-ROMの大容量を使った大幅なパワーアップというようなことは行われていません。

 それでもTOWNSの機能に合わせて、主にサウンド面のパワーアップが行われています。
 まずBGMはステレオFM音源6音となり、PC-98版のFM音源3音+SSG音源3音よりも強化されています。(CDをBGMとして再生する機能は無し)
 また効果音がPCM音源となり、BGMの違い以上にPC-98版との差を感じる豪華なものになっています。

 他にはオープニングのテキストが少し修正されていたり、オープニング後半のドーラのグラフィックが差し替わっていたりするものの、ゲーム内容はほぼPC-98版と変わりはありません。

 細部の違いとしては、TOWNSにキーボードが標準添付ではないことに配慮したのか、マウス操作のガイドをメニューから表示できるようになっています(PC-98版ではかなキーのロックにより表示でした)。
 ただしキーボード無しでプレイすると、最初のカジノに行くことはできなさそうですし、ボス戦での操作がかなり大変でした。

 このように全体的に良質な移植となっている本作ですが、最大の難点はEGGでも配信されておらず、実機が無ければプレイできないということでしょう。プレイ環境さえ構築できるなら、TOWNS版はお勧めです。

 なお今回はMARTYでプレイしたのですが、本作は1ドライブに対応しており、問題なく最後までプレイ可能でした。RGB出力のないMARTYでは、文字が読みづらいのではないかと思いましたが、S端子接続であれば文字もはっきり読めます。ただしマッピングの小さな表示領域で、色の違いを判別するのはさすがに困難でした。

▲オープニングの内容は98版とほぼ同じ。
 
▲オープニング後半のドーラが差し替えられている。
 
▲ゲーム画面も98版と変わらず。
 
▲メニューから操作範囲表示のオン・オフが設定できる。

 
 
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