デーモンズリング

 本作はファルコム初期の作品で、コマンド入力式アドベンチャーゲームです。近年はアドベンチャーゲームというジャンル自体がやや廃れてしまっていますが、その中でもコマンド入力式はまるで見かけなくなってしまいました。このコマンド入力式とは、キーボードから任意の言葉を入力してゲームを進めていくもので、デーモンズリングでは「テガミ ヨム」のように名詞+動詞の形で指示を入力します。このコマンド入力を駆使して冒険を進め、最終的に魔王を倒すのが本作の目的です。

 コマンド入力式では、後に主流となったコマンド選択式と異なり、コマンドに無限の組み合わせがあるので、プレイヤーが想像力を働かせて様々なコマンドを入力する必要があります。その自由度の高さがこの方式の楽しいポイントなのですが、残念ながら当時のゲームのデータ量はごくわずかなため、実際に実行できる言葉の組み合わせはあまり多くないのが残念なところです。
 コマンド入力式のゲームの中には、かなり不条理なコマンドを入力しないと先へ進めないものがありますが、本作に関しては、不条理な言葉が正解となっているところは無いため、この点ではあまり心配の必要はないと思います。ただし言葉自体は難しくないものの、画面に表示される絵があまり上手くないため、アイテムらしきものが何の絵なのか判別できないことが時々ありました。何の絵なのか分からないと「トル」ことができないため、行き詰ってしまいます。

 また、ちょっと困った仕様として、いくつかの場面では1度目に入力したコマンドが不正解だと、(その場ではなく)次のコマンド入力時にゲームオーバーになるというものがあります。この時、2度目のコマンドが正解であっても問答無用でゲームオーバーになるので、この仕様に気付くまでは2度目に試したコマンドも不正解と判断してしまいました。

▲コマンドは名詞+動詞で入力。
 
▲テーブル上にあるのは一体何?
 

 
▲ダンジョンの移動もコマンド入力。

 なお、このような一発でゲームオーバーという場面は多いものの、小まめにセーブしておくことが可能なので、難易度が極端に高いわけではありません。

 本作には結構広い擬似3Dダンジョンがあります。やや厄介なのは、ダンジョン内もコマンド入力で移動していくようになっていることです。ダンジョン内にアイテム等はなく、コマンド入力である必要性はなかったので、ここはテンキーで移動できるようにして欲しかったところです。

 とは言え全体的にあまり意地悪な要素がなく、今プレイしても楽しめるものになっています。コマンド入力式アドベンチャーゲームとしては遊びやすい方だと思いますので、このタイプのゲーム未経験の方でも、興味があればプレイしてみてはいかがでしょうか。
 なお、PC-8801版はV2モードでは起動できず、必ずV1Lモードで起動しなければならないようですので、注意して下さい。
 現在ではソフトの入手がやや困難ですが、プロジェクトEGGで配信されているので、そちらでプレイするのが良いかもしれません。
 
 
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