ドラゴンスレイヤー英雄伝説

 ドラゴンスレイヤー英雄伝説は、ドラゴンスレイヤー・シリーズ6作目のRPGです。木屋氏の生み出す従来のドラスレ・シリーズは斬新なシステムを特徴とするアクションRPGであったのに対し、本作はドラクエに近いシステムのスタンダードなRPGとなっています。
 当時のファルコムらしく、BGMや、作画は素晴らしい出来で、オープニングは必見でしょう。
 ストーリーは全6章構成となっており、今となってはやや物足りなさを感じるものの、当時としては十分なものだったと思います。ただメイン・ヒロインのはずのディーナ姫がオープニング以外であまり目立たないため、もう少し出番を多くしたほうが良かった気がします。
 セーブはシナリオディスク1〜3に各10個所ずつできるようになっています。シナリオディスクにはそれぞれ2章ずつ収録されているため、セーブは2章ごとに10箇所ずつ、計30個のセーブデータを保存できる計算になります。シナリオディスクの原本にセーブするのは恐いですが、ユーザーシナリオディスクを作成することも可能です。(今となっては2Dディスクを3枚用意するのは大変ですが、2DDディスクでも代用可)
 戦闘バランスはやや厳しめですが、全滅しても戦闘直前など複数の選択肢から再開できる親切設計になっています。特殊な能力の敵を除けば、ほぼオート戦闘まかせで進めることができるようになっています。
 少し気になったのは、フィールド上のエンカウントがかなり激しく感じることです。エンカウントは、一見ランダムエンカウントのようですが、実は(敵シンボルが見えない)シンボルエンカウントとなっています。このため敵の密集する部分に突入してしまうと、一歩ごとにエンカウントが発生するような状態になるようです。もう少し敵シンボルを分散する処理を入れたほうが良かったのではないかと思います。なお、敵シンボルを見えるようにする消費アイテムが売られているため、これを使い続けることである程度戦闘の回避が可能です。
 全体として、大きな特徴となる部分はあまり見当たらないのですが、非常に丁寧に作られた良作です。
▲オープニングデモは秀逸!
 
▲画面の右側はステータス表示。
 
▲道具を使えば敵が見えるように。
 
▲戦闘はオートも可能。

 移植を含めれば現在でも入手しやすい作品ですが、原作であるPC88版もProjectEGGにてプレイ可能です。
 
 
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