メガドライブ版ぽっぷるメイル

 メガドライブ(メガCD)版ぽっぷるメイルは、数少ないセガ・ファルコム作品の一つです。(ただしパッケージ表記では、リプログラムとしてセガの記載があり、セガ・ファルコムの「COMPUTER DESIGNED」という記載がどのような範囲を表すのかはよく分かりません)
 CD−ROMということで、ビジュアルシーンが全体にわたってアニメーションとなっていたり、重要な会話シーンにボイスが採用されています。またゲームシステム面でも大幅なアレンジが加えられており、特にキャラクターのサイズがかなり大きくなったこと、メイルの攻撃が体当たり方式ではなく剣を振って攻撃するシステムとなったことにより、原作とはゲーム性がかなり異なる作品となっています。

 このようにグラフィック全般の強化や、背景の5重スクロール(うち4重は重ね合わせ処理は無し)など頑張っている点も多い本作なのですが、全体として荒削りな部分が目に付きます。
 たとえば、パッケージ、ビジュアルシーン、会話時の顔グラフィックの絵柄がバラバラで、しかもあまり上手くないのが惜しいところです。音声は、メイルがCDドラマと同じということもあり、全体的にあまり違和感ないのですが、メッセージの表示と音声のタイミングが大幅にずれるところが多々ありました。
 ゲームシステムのアレンジについても、コンシューマ機向けの方向性は良いと思うのですが、どういうわけか(メイル以外も含めて)上下方向への攻撃ができなくなっています。それにも関わらず、マップの構造自体はおおむね原作を踏襲しているため、上方や下方に敵がいる所ではかなり苦戦することになってしまいます。
 他にも、フィールド画面でHPが回復しない、飛び道具系を連射するとすぐに弾切れになる、被ダメージ後に弾かれながら操作不能となるため足場の狭いところで一気に落ちてしまうことが多い、などの変更点により、実際にプレイしてみるとアクション性が良くなったとはあまり感じられなかったのが残念です。

 全体的に、決して悪い出来ではないのですが、もう少ししっかり作り込んでほしかった、というのが率直な感想です。
 現在のところ実機でしかプレイできないようなので、せめてプロジェクトEGG等で安価にプレイ可能になってほしいところです。
▲メイルは剣を振って攻撃。
▲フィールド画面では回復しない。
▲スムーズな動作で迫力あるボス戦。
▲会話時の顔グラフィック。

 
 
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