太陽の神殿
TEMPLO DEL SOL


 MSX2版「太陽の神殿」はファルコムによる移植ではなく、東京書籍から発売されたものです。メディアはROMカセットで、バッテリーバックアップ搭載により9ヶ所のセーブが可能となっています。
 容量の問題なのか、マップは狭くなっていますが、カットされているのは原作でほとんど何も存在しなかった部分なので、むしろこれは改良と言って良いかも知れません。タイトル画面の背景がスクロールしないのも、ROMカセットとしては許容範囲のうちでしょう。
 動作速度や操作性の面では、原作とあまり変わりないようですが、リターンキーとスペースキーの使い分けが非常に分かりづらいのは、むしろ改良して欲しかったです。原作と異なる点としては、マップ上の森を歩くことができなくなっています。これにより迂回しないと隣のマップへ行けない所も出てきてしまい、かなり不便に感じました。ただしヒント集(ユーザー登録者用?)に掲載された隠しコマンドを使うと、歩行スピードアップと地形無視が可能なので、かなり快適になります。(隠しコマンドを入力するときに、セーブ・ロードメニューと同じキーを押すことになり、メニューが表示されてしまうと入力失敗となる。素早くコマンドを入力すればメニューは表示されない)
 グラフィックは原作から大きく変わったようには感じないものの、見比べてみるとMSX2版では描き直されているようです。
 謎解きにも色々と変更が加えられていて、原作の解き方そのままでは通用しなくなっています。さらにエンディングは完全に独自のものになっており、原作プレイ済みでも一見の価値があるでしょう。(ファミコン版も謎解き・エンディングは本作の内容に近い)
 ところでプレイの仕方によるのかも知れませんが、最終盤で脱出路側から太陽の鍵を取ってしまった場合も問題なく脱出できてしまいました。しかも太陽の鍵を持って外に出たのにエンディングにはならない、という意味不明な状態になってしまいます。いくら意地悪なゲームだとは言っても、さすがにこれは仕様とは考えづらいので、何らかのバグなのでしょう。(この状態からでも反対側から入り直して改めて脱出すればエンディングに行くことはできる)
 全体として本作は良質な移植となっています。原作そのままではないが、ファミコン版ほど大胆なアレンジではない、そんな「太陽の神殿」をプレイしてみたい方にお勧めの一作です。
▲簡単なオープニング入り。 
 
▲カラコルに階段が!
 
▲太陽の胸飾りは上に常時表示。
 
▲いけにえの泉より上は行けない。



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