イース セルセタの樹海
本作の戦闘システムはイースSEVEN同様のパーティー制です。
機種がPSVitaになったこともあり見た目は派手ではあるものの、実際のプレイでは画面がゴチャゴチャしてしまい、何が起きているのか把握するのが困難です。それでも回復アイテムをつぎ込めば戦闘に苦労することはないので、バランスが悪いと言うことはないのですが、かなり大雑把なゲームになっています。
素材集めや、武器強化などのやり込み要素を活かすためにも、もっと緻密な調整が可能なシステムのほうが良いのではないでしょうか。戦闘システムとしてはイース6あたりが完成型だったのかも知れません。
ストーリー的には、「セルセタの樹海」というタイトルから分かるとおりイース4を基としています。
しかしイース1・2との関連部分が排除され、登場人物の性格付けは従来とかなり違う方向に変更されており、システム面だけでなくシナリオ面でもイース4の良さが残っていないのが非常に残念です。
特にリーザとエルディールの関係性は、イース4の最重要ポイントだと思うのですが、本作ではセリフ量の割にほとんど表現できていないと感じました。リーザは(行動している割に)あまり必死に見えません。せっかくPCE版と同じ声優を起用しているのにもったいない限りです。
同様のことは他のキャラにも生じており、セリフの量の割にあまり感情移入できるシーンがありませんでした。新キャラを増やすのは構いませんが、それよりも各キャラを活かす方向で作り込んでほしかったです。
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▲今回もパーティー制。 |
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▲地図に目的地を設定できる。 |
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▲戦闘は派手だが、分かりづらい。
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またイース4の大きなウリであったはずのイース1・2との繋がりが、ほぼ完全に排除されているのも大きなマイナスです。独立した作品にしたいなら新作かイース5のリメイクにすれば良いものを、よりによってなぜイース4を選択してしまったのでしょうか。他社移植ではないのですから、もっとイース4の基本要素を踏襲してほしかったです。
一応、各種イース4から持ってきたと思われる要素が散りばめられているものの、むしろそれが違和感の基となっています。せめてもっとシナリオが良ければ許せたのかも知れませんが、古代都市復活がカットされていたり、エンディングが中途半端だったりで、メインストーリーの盛り上がり所もなく違和感だけが最後まで残ってしまいました。
アドルの記憶喪失という設定や、樹海の地図を作成するというアイデアは面白いと思うのですが、これもあまりストーリーを盛り上げる要素とはなっていないのが残念です。
とは言えゲーム全体の完成度は低くはないので、恐らくイース4にそれほど思い入れのない人ならば特に違和感なく良作として楽しめるのでしょう。
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