スタートレーダー
ストーリー ★★☆☆☆
システム ★★☆☆☆
音楽 ★★★★★
グラフィック ★★★★☆

超一流のシューティングゲームをその核として、シミュレーション、アドベンチャー、ロールプレイングまでも自然な形で取り込んだ「スタートレーダー」の登場によって、従来の単なるシューティングゲームは凌駕され、前時代の遺物と化すだろう。これこそシューティング新世紀の幕開け、シューティング”革命”なのだ!!

 これはスタートレーダー発売前の広告に書かれている宣伝文句です。しかし、現実には今のところスタートレーダーのようなジャンル複合型のシューティングが主流になっているわけでもありませんし、本家ファルコムでさえが以降シューティングを作っていません。残念ながら”革命”は不発に終わったようです。
 この作品の各要素を見ていくと、その原因が見えてきます。
 まず、ストーリーですが、特に目立った特徴というのはないです。敵が宇宙人ではない、というのは特徴といえば特徴ですけど。また、死んだと思われていた人が、まとめてエンディングで出てくるのはちょっと無理があったと思います。
 システム。これが最大の問題点です。まず基本的にシューティング部分に難があります。写真で見ると当時のアーケードと勝負できるぐらい美しい画面なのですが、動いた途端ゲームとしては問題が多発しています。PC88にはスプライト機能がないため、グラフィックによってキャラクターを描いています。このためある程度の速度を得ようとすれば、キャラを数ドット単位で動かす必要があります。スタートレーダーは速度が申し分ない変わりに、言わば敵キャラや敵弾が「ワープしながら」迫ってくるような感じになっています。敵の攻撃が激しくなるとシューティングの基本である「かわす」という動作がほぼ不可能になります。もっとも、これはハードウェアの限界なので、やむを得ないことではあるのですが。
 また、システム面での特徴としてAVGとの融合があります。実際にプレイした印象としては「移動シーンの変わりにシューティングを入れたAVG」という感じでした。とは言ってもなぞ解きがあるわけでもなく、武器の買い物と会話シーンのためにあるだけなので、やはり”革命”に必要なパワーが感じられません。
 音楽、グラフィックに関してはかなりレベルが高いです。ただ、これらはゲームとしてはあくまでも二次的なものですからね・・・。
 全体的に、ハードの制約のためにアイデアを生かしきれていない、という雰囲気があります。是非コンシューマなどに移植して、今度こそシューティング”革命”を成功させてほしいものです。



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