イースIIDS

 剣を振って攻撃する操作方式と、タッチペンでの体当たり方式を切り替えられるシステムや、3D化されたマップなど、基本的な仕様はイースDSと同様です。
 階段の上り下りの演出など細部に省略された点はありますが、村人にアイテムを渡して好感度を上げていくシステムなども移植されており、おおむねWindows版からの忠実な移植となっています。
 
 仕様はイースDSと共通なので改めて特筆すべき点はあまりありませんが、サルモン神殿のマップは3D化と相性が良く、立体構造がより際立っていました。ただし画面切り替えがかなり多くなっているため、広いマップ内を歩き回っていると何度も切り替えが発生し、一回の切り替え時間がわずかであっても意外にストレスがたまります。
 マップの表示範囲が狭くなっている影響で、誤って敵に突っ込んでしまうことも多く、(ノーマルの操作法では)体当たりでダメージを与えられないため、こちらが一方的にダメージを受けることが良くありました。また、鐘突き堂のマリアの姿が画面内に見えないため、動かなくなってしまったマリアの姿を見ることができません。
 もう一点、終盤には大きな問題点があります。イース中枢でワープゾーンまで進んでしまうと戻れなくなるのですが、ラスボス戦でダメージを与えられるレベルに達していないのにセーブしてしまった場合、レベル上げの手段がないためクリア不可能になってしまいます。セーブできる数が多いWindows版であればあまり問題ではありませんが、3つしかセーブできないDS版ではかなり前のデータしか残っていないことが考えられます。ここは何らかの対策が必須だったと思います。
 他にベスティアリーポーションが省略された兼ね合いかも知れませんが、ムーンドリアの廃墟でヒビの入った壁をマトックで破壊することができなくなっています。ややこしいので、この意味ありげなヒビも省略すべきだったのではないでしょうか。
 このように仕様を変更した部分の手当てが、全般的にやや不十分という印象を受けました。
 他に気になった点として、サルモン神殿内にシステムメニューが出せないマップが複数ありました。最初は強制イベントとの兼ね合いかとも思いましたが、結局、理由はよく分かりませんでした。

 やや細かい部分を指摘しましたが、それ以外は手堅い移植が行われています。Windows版をプレイできるハードがない方には十分オススメできるレベルでしょう。
▲オープニングムービーも収録。 
▲オープニング2のリリア。
▲壁にヒビはあるのに壊せない。
▲立体感の増したサルモン神殿。

 
 
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