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ザナドゥ・ネクスト

 率直に言って、まったく期待していませんでした。
 ザナドゥと言っても名前だけで、純粋な続編ではないだろうし、旧作の名前だけ借りた作品という印象を受けてしまったためです。
 しかし、プレイを開始してすぐに、それが大きな思い違いであったことが分かりました。

 本作の特徴は、元祖ザナドゥのアイデアを取り込んだ自由度の高い成長システムにあります。
 レベルアップ時に与えられるボーナスポイントを、プレイヤーは望むパラメータに割り振ることが出来ます。武器・防具は必要とする能力値を超えていないと装備することができませんが、例えば攻撃力に集中してポイントを割り振ることで、比較的早めに強力な武器を装備していくこともできます。(ただし、この場合、防具はいつまでたっても貧弱なものしか装備できないかもしれませんが……)
 武器にはそれぞれ固有のスキルがあり、武器の熟練度を上げることにより、そのスキルが武器を変更しても使用可能になります。魔法とスキルは同時に4つしか装備できないため、どのような組み合わせにするかによって戦術は大きく変わってきます。
 また、プレイヤーが宿すことのできる「ガーディアン」というカードがあり、これにもHPアップ、魔法威力アップなど様々な効果があります。
 こうしたシステムの組み合わせにより、プレイヤーが自分の好みに合わせてキャラクターを成長させ、自分独自の戦術を作り出していくことが出来るわけです。

 当初、続編ではないと思っていたシナリオも、元祖ザナドゥと同じ世界観であったことには驚きました。
 「古代遺跡を探索し、その謎を解き明かす」という設定は使い古されているもののように感じますが、使い古されている設定だから面白くないということはありません。
 石版・手記によって明かされていくザナドゥの歴史と、今目の前で進展する事態が重ね合わさって行き、しだいに謎が明らかになっていく物語は強くプレイ意欲をかきたててくれました。
 シナリオだけでなく、グラフィックやBGMの美しさ、謎解きの面白さ、アクション性の高さなども、うまくゲームの魅力を高めてくれています。

 キャラを育てるのが楽しく、探索が楽しく、ストーリーを追うのが楽しい。
 これこそまさにゲーム、これこそまさにRPGでしょう。
 最近は、新しいゲームをプレイしても、以前ほど楽しむことができないことが多いと感じていました。どちらかというと、ただの作業となっていたり、あるいはストーリーだけを楽しんでいたり、という具合です。
 これほど純粋にゲームを「ゲームとして楽しむ」ことができたのは、本当に久しぶりのような気がします。
▲パラメータの割り振り。
▲冒険の基本は遺跡の探索。 
▲スキルや魔法は4つまで装備。
▲広範囲に効果のある魔法。
 元祖ザナドゥの正統な進化型とは、このようなものだったのではないか。プレイを終えて、そう強く感じさせてくれる作品でした。

 このザナドゥ・ネクストは、ゲームの楽しさを忘れかけていた方にこそ、ぜひお勧めしたい一作です。
 
 
 
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