英雄伝説
ついに登場した「空の軌跡」の完結編です。
未完の前作から待ちに待っていた人も多いことでしょう。
待ちすぎてもうストーリーを忘れてしまった人も多いかもしれませんね。
そんな場合は、特典のCDドラマやストーリーブックで前作のストーリーを復習できますのでご安心を。
本作もあの圧倒的なテキスト量は健在なだけでなく、さらにパワーアップしているようです。
今回も全てのセリフを見るには相当の労力を要することでしょう。(ちなみに自分のクリアタイムは97時間ほどでした)
前作からのデータ引き継ぎもできるようになっており、両作品を連続でプレイするとかなりのボリュームになりそうです。
もちろんボリュームだけでなくストーリーもしっかりしており、前作同様、誰にでもお勧めできる作品に仕上がっています。
しかし、全体的には前作からの大きな変更点がなく、マップやBGM、敵キャラなども基本的に前作と同じものです。
続編として新しい部分を期待していると、やや不満が残るかもしれません。
内容的には飽くまでも「後編」で、前作と合わせて一つの作品と考えるべきなのでしょう。
特に気になったのは戦闘システムがやや中途半端になってしまったことです。
スタッフのコラムによれば、かなりのバランス調整が行われたようですが、どうもそれが逆効果になっているようです。
せっかくバランスが高度に取られていても、それを活かすための戦術的な選択肢の幅があまり広がっていません。
結果的に、戦闘時間が長めになった割に面白さが向上しておらず、各所で不評を見かける要因となったのではないかと思えます。
たとえば、一定範囲に効果のある攻撃の場合、敵味方共に立ち位置が非常に重要となってきます。
しかし、攻撃の場合、移動位置は自動的に決まってしまいプレイヤーは指定することが出来ません。
このため、敵をうまくはじき飛ばしたり、味方の配置を思い通りにするには、攻撃の機会を一度犠牲にしてただの移動コマンドを使用しなければならないのですが、それなら配置はあまり気にせず攻撃した方が良いと考えるプレイヤーが多いと思います。
また、通常攻撃に属性を付加したり、敵の特殊攻撃を防ぐ装備があっても、戦闘中に装備を取り替えることは出来ません。
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▲物語は前作の直後から始まる
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▲攻撃時に移動地点は指定できず
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▲舞台は前作と同じ範囲
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これでは、事前情報のある場合や一戦目で敗北したとき以外、戦術に役立てようがありません。
これらは前作からの仕様ですが、戦闘バランスにこだわった分、戦闘システムもそれに見合った進化が必要だったのかもしれません。
総じて「後編」としては満点を付けられる完成度ですが、「続編」と考えると前作のままの部分が多すぎる、という印象です。
純粋に「後編」と割り切ってプレイすることをお勧めします。
もしコンシューマ機に移植される機会があるならば、ぜひ1セットにしてほしいですね。
二作合わせれば他社有名RPGに勝るとも劣らないボリューム、完成度、ストーリー性となることでしょう。
RPGの少ないハードでヒットさせることが出来れば、PCEでのファルコム人気の再来も夢ではないかもしれません。 |
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