イース3
(スーパーファミコン版)
ストーリー  ★★★★★ 
システム  ★★☆☆☆
音楽  ★★☆☆☆
グラフィック  ★★☆☆☆ 
忠実度  ★★★★☆


 X68000版イース3の移植作、スーパーファミコン版イース3をご紹介します。
 ストーリーは一切変更がないので、特に触れる必要はないと思います。
 問題はシステムです。イース3はやはりアクション性が重要ですので、操作系に問題があっては価値が半減してしまいます。まず、基本的な部分では「下突き」が出しにくくなっています。本来、ジャンプ中に下を押すだけで出るはずの下突きが、剣を振った後にしか出なくなっているのです。さらに、自分でジャンプしたのではなく足場の端から落下した状態の時は、ひたすら剣が振られるだけで下突きになりません。そして何とか慣れて下突きを使えるようになっても、あまり破壊力がなく敵を倒せずに重なってしまうため、自分もダメージを受けてしまいほとんど使い道がありません。また、敵キャラが障害物を透過してしまうのも問題でした。一例として、採石場の最初の場面で、X68000版では飛んでくる敵は足場をかわして飛んで行き、端の壁に当たると戻ってくるのですが、スーパーファミコン版では足場を透過し、壁も無視してそのまま画面外に消えて行きました。こうした仕様のため、見えない岩の中に敵がいて、歩いていると突然ぶつかってくることが良くあります。他にも細かい点でバランスの悪さが目立ち、システムの評価は低くなっています。
 音楽はX68000版の曲以外にも独自の新曲が追加されています。エンディングの曲も変更されているのですが、これは変更しない方が良かったと思います。曲は全体として、「曲」というよりは「音の固まり」という印象を受けました。元々、曲自体の出来が良いのでまだ聞けるレベルですが…。
 グラフィックも基本的に88版などよりは奇麗ですが、X68000版と比較すると見劣りしてしまいます。これはハードの性能差もあるのでやむを得ないのかもしれません。しかし、扉を開けるグラフィックや、室内が荒らされている描写を削ってまで、オープニングを追加する必要はなかったと思います。オープニング、エンディング共に新たに作られていますが、ビジュアルの質はかなり低いです。
 結局、すべての部分で中途半端な移植、という印象を拭えない作品でした。もう少し、こだわりを持って作ってほしかったと思います。
 
 
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