銀英伝GAMES

銀河英雄伝説のシミュレーションゲームの紹介と攻略です。

銀河英雄伝説
<我が征くは星の大海>
(ファミコン版)

 最も早く発売された銀河英雄伝説のコンピュータゲームです。
 本作ではプレイヤーはラインハルトの立場で、指揮下の11艦隊に指示を与え、同盟軍首都星ハイネセンの占領を目指します。
 システムは後のパソコン版とはまったく異なり、基本的にはターンごとに各艦隊の司令官から現状報告を受け、その艦隊に移動・補給などの指示を与えることでゲームが進行します。同じ星に敵艦隊がいる場合には戦闘となりますが、戦闘に関する指示はフォーメーション番号を指定するだけのシンプルなものとなっています。
 艦隊は移動によりエネルギー、日数により食料を消耗し、戦闘によりダメージを受けますが、回復には補給が必要となります。補給はすべての星でできるわけではなく、補給できる星でも補給可能な種類がそれぞれ決まっているため、各種の補給が可能な星を確保することが非常に重要となるシステムとなっています。
 またビジュアル面では、全画面のアニメーションや全指揮官の顔グラフィックなど、ファミコンゲームの水準以上のものに仕上がっています。(顔グラフィックのうち、アニメ版に未登場だったキャラについては独自のデザインになっている)
 銀英伝初のゲーム化としては意外にも完成度が高く、十分楽しめる作品となっているのですが、本作最大の欠点はコンティニュー機能が一切ないという点です。普通にプレイすれば、クリアまでには結構な時間がかかるため、せめてパスワード機能くらいは付けて欲しかったところです。
<攻略法>
 マニュアルには発売当時のプレゼント・キャンペーンの応募条件として、ハイネセンを31日(31ターン)以内に攻略することが挙げられています。本作は、近くの惑星から順にじっくりと占領していくのも面白いですが、慣れてきたら31日以内の攻略を目標としてみるのも良いでしょう。
 ただし、普通にプレイしたのでは31日以内というのはとても達成できません。占領する星は必要最小限にし、なるべく早く全艦隊をネプティスに集結させるようにします。そして、20日目くらいにはハイネセンへ向けて侵攻開始しましょう。
 このとき各艦隊は到着にかかる日数が異なるため、なるべく同時に到着するように遅い艦隊から順に日をずらして出発させる必要があります。間違って同時に出発すると、ハイネセンでは強力なヤン艦隊と遭遇することになるため、先に着いた艦隊から見事に各個撃破されてしまいます。
 なお、敵艦隊はこちらの艦隊のいる星を目指して来るようなので、自軍の本拠地であるミニュアスには艦隊を残しておく必要はなさそうです。

銀河英雄伝説
PC-88
1989/3?発売
PC-98
1989/4?発売
 パソコン版「銀河英雄伝説」の第一作目です。シナリオは「ヴァンフリートの戦い」「ティアマト星系の戦い」「アスターテ聖域の戦い」「アムリッツァの戦い」「イゼルローン要塞の奪還」の5本です。シナリオはそれぞれ独立しており、キャンペーンモードはありません。
 PC-88版、PC-98版はいずれも帝国軍でしかプレイできません。
 同盟軍が選択できない点以外は、後のMSX2版とあまり違いはないだろうと想像していたのですが、実際にプレイしてみるとかなり大きな違いがありました。
 まず、税の徴収が手動です。ターンごと、惑星ごとに徴収コマンドを実行する必要があり、かなり面倒です。
 最大部隊数16というのはMSX2版と変わりませんが、1艦隊は12部隊までという制限があります。
 艦隊はラインハルトの第1艦隊が最初から配置されています。自軍の惑星のうち、増援可能となっている惑星は1回のみ艦隊を呼び出すことが可能となっています。MSX2版の「増援ポイント」とは異なり、その惑星でしか増援コマンドを使用できません。また、惑星ごとに指定できる艦隊が定められています。
 敵艦隊もシナリオ開始時から配置されているらしく、敵軍惑星と自軍惑星の中央あたりで敵艦隊と遭遇するものと思って進撃していたところ、シナリオ開始早々に敵と遭遇して驚きました。また敵艦隊は惑星の占領に依存していないのか、占領を防いでも各シナリオ4〜5艦隊が存在しているようです。
 本作の段階ではユニット等が重なったときにスペースキーで切り替える機能が無かったらしく、重なってしまうと一番上のユニットしか選択できなくなってしまうという大きな難点がありました。特に惑星の上に敵・味方いずれかのユニットが重なってしまうと、徴収も、ユニット生産も、艦隊増援も実行できなくなります。自軍惑星は、常に敵からブロックしつつ、味方も半マス以上ずらすようにしておく必要があります。
 なぜかPC-98版のほうは戦闘アニメがかなり低速なのですが、OFFにする設定は見当たりませんでした。
 また、PC-98版のみマウス対応なのですが、マウスを動かした方向にジョイスティックを入力した扱いになるだけで、素早く動かしてもカーソルは一定速度でしか動きません(MSXマウスのジョイスティックモードのような動作)。このため、マウスでの操作感はあまり良好ではありませんでした。 
<攻略法>
 基本的な攻略法は下のMSX2版と同じです。
 ただし、PC-88版、PC-98版では敵もこちらの旗艦に集中攻撃してくるようです。
 ラインハルトの部隊が全滅すると敗北となってしまうため、なるべく攻撃空母や巡航艦の射程を避ける必要があります。

銀河英雄伝説パワーアップ&シナリオ集
PC-88
1989/9発売
PC-98
1989/9発売
 シナリオが10本となり、キャンペーンモードや、同盟軍でのプレイが可能となるなど様々な改良が施されており、全体的に動作も速くなっています。
 税の徴収の自動化、最大部隊数の増加、重なったユニットの選択切り替え機能の追加など、前作の大きな欠点はほぼ改良されています。
 また艦隊の増援は惑星の占領にかかわらず軍事費によって行うように変更され、惑星による艦隊の制限もなくなっています。これにより自由度が上がった面もあるのですが、部隊の生産と艦隊の増援のいずれも軍事費を使うことになるため、実際にはやりくりが苦しくなったような気がします。
 前作では敵軍のほうがかなり有利な初期状態でしたが、本作ではほぼ対等の条件でのスタートとなっています。敵軍があまり旗艦部隊に集中攻撃をしてこなくなったこともあり、全体的な難易度はかなり下がっています。
 キャンペーンモードでは旗艦部隊が全滅した艦隊はそれ以降出てこなくなるのですが、敵旗艦部隊を全滅させていくと、最終シナリオ前に敵艦隊が存在しなくなってゲームが終了してしまいます。この場合、エンディングが見られないので、敵艦隊を全滅させすぎないよう注意が必要です。
 なお、PC-88版では部隊数が多くなると、選択時などに一部の部隊の表示が消えてしまうことがあるようです。

銀河英雄伝説
MSX2版

1989/11/9発売
 パソコン版「銀河英雄伝説」の第一作目の移植ですが、PC-88版のパワーアップ&シナリオ集よりも後の移植で、ゲームシステムはパワーアップ&シナリオ集のほうに近く、現在でも十分に楽しめます。帝国軍と同盟軍のどちらでもプレイすることが可能です。ただし、シナリオは5本で、キャンペーンモードはありません。
 PC-88版やPC-98版の一作目には、キルヒアイスが艦隊司令官ではありませんでしたが、MSX2版では最初から艦隊司令官となっています。
 残念なのは、(PC-98版も同じですが)1部隊が300隻前後で部隊数は最大16までなので、全部隊を1艦隊に集結させても5000隻程度にしかならず、原作のような1万隻規模の艦隊にできないことです。また方向性の概念がほとんどなく、敵の背後を突いても特に有利にならないのも惜しい点です。
 なお戦闘時間を短くしたいがアニメをオフにはしたくないという場合には、オープニングデモ後にHOME・INS・DELキーをすべて押しっぱなしにしておくと、戦闘アニメーションを高速にできるので便利です。
<攻略法>
 本作では旗艦の部隊さえ全滅させれば、その艦隊の残存部隊は独立部隊となって弱体化するため、敵艦隊のうち旗艦部隊を見極め、その部隊に集中攻撃して全滅させると非常に有利になります。ターン中に全滅させないと、他の部隊から旗艦部隊に戦艦が補充されてしまうため1ターンで全滅させることが重要です。
 メインの部隊である宇宙戦艦同士の戦闘では通常50隻前後の撃破となりますが、攻撃空母の戦闘機による近接戦が非常に強く、一度の攻撃で宇宙戦艦を200隻以上撃沈することが可能です。また、巡航艦のミサイルによる遠距離攻撃も強力で、宇宙戦艦を100隻以上撃破可能です。このため、艦隊構成は宇宙戦艦・攻撃空母・巡航艦をメインとしておき、敵旗艦を集中攻撃することが主な攻略法となります。戦闘機やミサイルがなくなると一気に弱体化してしまうので、補給艦も必ず用意しておきましょう。

銀河英雄伝説パワーアップ&シナリオ集
MSX2版

1989/12/14(15?)発売
 銀河英雄伝説(1)のシナリオ5本に新規シナリオ「エル・ファシルの戦い」「ダゴンの制圧」「レグニツァの戦い」「カストロプの戦い」「銀河帝国討伐作戦」を加え、シナリオは計10本となっています。キャンペーンモード、提督のレベルアップ、惑星の生産レベルといった要素が追加され、キャンペーンモードでは提督レベルなどを引き継ぎながら10本のシナリオを連続でプレイすることができます。
 最大部隊数も倍の32に拡張され、1万隻規模の艦隊も可能となりました。部隊数が増えると動作がだんだん重くなりますが、MSXなのでやむを得ないところでしょう。
 このようにパワーアップ&シナリオ集では、銀河英雄伝説(1)の不満点がほとんど解消されており、何度プレイしても飽きない作品となっています。
 一番の問題点はEGG等で入手できるようになっていないことですね。版権問題のためなのかも知れませんが、何とか解決してほしいところです。
<攻略法>
 攻略法は大きく変わりませんが、キャンペーンモードでは一度全滅した提督の艦隊はそれ以降のシナリオでも出てこなくなるため、敵旗艦を集中攻撃することの重要性はさらに増しています。
 ただし最大部隊数が増えたことから、敵艦隊も大部隊となっていることが多く、味方の損害もかなり大きくなりがちです。旗艦部隊が全滅してしまわないよう、補充用の宇宙戦艦(艦隊によっては高速戦艦)を十分に生産しておきましょう。特に高速戦艦は部隊構成数が少ないため、多めの生産が必要になります。

銀河英雄伝説
X68000版

1990/1/26発売
 最後発となるX68000版は、MSX2版の仕様をベースとした移植となっています。
 しかし単なる移植ではなく、X68000の性能に合わせてグラフィックが描き直されており、重ね合わせなどを活用したオープニングデモは、最も豪華になっています。マウス対応(キーボード、ジョイパッドも可)、効果音のADPCM対応、MIDI音源対応なども行われており、銀河英雄伝説(1)の全機種の中で、最高の出来と言って良いでしょう。
 なお、最大部隊数についてマニュアルには16部隊と記載されていますが、実際には32部隊まで可能です。

銀河英雄伝説II
PC-98
1990/10/5発売
X68000版
1990/11/30発売
 シナリオは「神々の黄昏作戦」「ランテマリオの会戦」「ライガールの戦い」「エリューセラの戦い」「バーミリオン会戦」の5本で、最初からキャンペーンモードもあります。
 今作ではついに艦隊の射程や防御力に方向性の要素が追加され、敵の背後を突くといった本格的な戦術を駆使できるようになりました。さらに、惑星占領時の惑星からの反撃、艦隊が半自動で行動する「作戦」システムといった追加要素もあります。マウスにも完全対応になったことで操作性が格段に向上しています。
 また、前作のパワーアップ&シナリオ集では好きな艦隊を呼び出すことができたため、能力値の低い艦隊を使う意味はあまりありませんでしたが、今作では各惑星に配置された艦隊しか出撃できないため、能力が低い艦隊でも活用する必要に迫られるようになっています。1艦隊の最大部隊数も6部隊に制限されており、1艦隊に全部隊を集めるようなことはできなくなりました。さらに部隊の生産という概念はなくなったため、艦隊だけでなく部隊についても惑星への初期配置が非常に重要となっています。最大部隊数は32部隊となっており、艦隊は5艦隊まで出撃可能です。
 BGMがすべてゲームオリジナルのものになり(通常用9曲、戦闘用2曲)、PC-98版とX68000版はFM音源の他にMIDI音源にも対応しています。
 このように銀河英雄伝説2は前作から大きく進化している作品ですが、敵部隊との衝突判定の廃止といったパワーダウンもわずかに見られます。
 なお、今作ではミサイル使用時に、発射数ではなく残弾数によって計算されているのか、残弾が最大値でないと威力が低下してしまうようです。(この現象は移植版でも未修正です)
 PC-98版の動作速度はV30の10MHzモードで戦闘のないターンの処理が1分弱程度でした。(486の機種でも試したところ、ユーザーディスクを認識せず、ゲームを開始できませんでした)  X68000版は戦闘のないターンの処理が44秒ほどでした。
 X68000版はグラフィックが中間色を用いたものに描き直され、画面の重ね合わせも随所に使用されています。
 X68000版はPCM音源により、戦闘の効果音がよりリアルになっています。
PC-88
1990/12/21発売
MSX2版
1990/12/21(23?)発売
 8ビット機の移植版では最大部隊数が24に減少しています。
 惑星の反撃の威力が距離が離れても変わらなくなっているようです。(PC-98版・X68000版では惑星との距離が遠くなると反撃時の撃破数が大幅に増える)
 メルカッツ提督のグラフィックが同盟軍の軍服に変更されていますが、原作で帝国軍の軍服のままだったことが描写されていたので、誤りと思われます。
 PC-88版の動作速度は8MHzモードであれば、MSXターボRの高速モードと同程度のようです。戦闘のないターンの処理が約1分ほどでした。4MHzモードでは1分半弱でした。
 部隊が密集すると表示の一部が欠けたり、化けたりするようです。
 MSX2版の最大の難点は動作が極めて遅いことです。しかしMSXターボRの高速モードに対応しているので、ターボRであればかなり快適にプレイすることが可能になります。(戦闘のないターンで比較してみたところ、MSX2+で次のターンまで約4分かかっていた処理が1分強で終了しました)
 PC-88版では戦闘解決画面でもBGMが鳴りますが、効果音がまったく無いため、かなり寂しく感じました。  MSX2版の戦闘解決画面では、PC-88版とは逆にBGMが無く、効果音があります。このため戦闘用の曲は戦闘入力フェーズにだけ使われています。
 なお、戦闘用の曲は切り替えできなくなっていますが、もう一曲はシナリオ開始時などに聞くことができます。
 前作からドライバが改善されたのか、BGM全般が非常に良くなっています。
 MSX2版のエンディングには、小さい画面で短時間ですが、アニメから取り込んだと思われる動画が追加されています。
 さらにターボRでは、動画のあとに音声も流れます。
<攻略法>
 破壊力の大きい攻撃で、敵旗艦に集中攻撃するという攻略法の基本は前作と変わりませんが、今作では艦隊の方向性が重要となっているため、なるべく敵の側面・背後を突くようにします。とはいえ衝突判定がないため艦隊同士がすり抜けてしまい、敵の移動先を予測するのは困難です。このため敵旗艦を正面に捕らえられないことも多々ありますが、その場合は無理に旗艦を狙うのではなく、消耗しないビームで正面の敵を攻撃しておき、敵旗艦をうまく射程に捕らえたときにだけ集中攻撃を行って全滅を狙う方が良いようです。(ミサイル使用時のバグのため、ミサイル残弾がMAXのとき以外は、ビームを使用した方が無難です)
 また今作では惑星から部隊の補充や物資の補給ができるようになったため、なるべく自軍惑星の近くで戦うようにすると、優位に戦うことができます。

銀河英雄伝説II DXkit
PC-88
1991/5/17発売
MSX2版
1991/6/14発売
 本作では難易度、敵艦隊との衝突判定の有無、艦隊全滅時の提督脱出の有無、艦隊の初期配置の変更ができるようになりました。また作戦の航路変更で、ダブルクリックにより3地点未満を指定できるようになど、細部も改良がなされています。前作にあったミサイルのバグも修正されています。
 原作の艦隊より艦数が一桁少ないのは変わりませんが、それ以外に不満点はなく、初期パソコン版の完成形と言える傑作です。
 シナリオは「アムリッツァ会戦」「ガイエスブルグ作戦」「ラグナロックの戦い」「ウルヴァシー攻略」「タッシリ・ゲリラ」「リューカス攻略作戦」「決戦ハイネセン」の計7本となっています。
 
 2DフロッピーのPC-88版ではディスク容量が限界だったようで、通常用BGMが4曲に減っています。うち2曲はクラシックのボレロ・英雄が復活しています。  MSX2版では、通常用BGMは10曲となっており、ボレロ・悲愴・英雄が復活しています。
 難易度に関わらず、敵艦隊を4艦隊以上撃破しても撤退しないようです。  
 所有しているのはTAKERUで購入したものですが、特に2のディスクは必要なく単体でプレイ可能でした。
<攻略法>
 攻略法は基本的に2と変わらないものの、難易度を最上級にすると、敵のレベルがかなり高くなるため、ほとんどの場合に先制攻撃を受けることになります。また敵艦隊を4艦隊以上殲滅しても撤退しなくなっており、損害を最小限に抑えないと戦艦数が不足する事態となってしまいます。このため、的確に敵艦隊を射程に捕らえ、複数艦隊の集中砲火を浴びせることが、より重要となってきます。とは言え敵艦隊の動きを正確に予測することは難しいので、自軍惑星を取り囲むように艦隊を配置しておき、惑星占領に来る敵艦隊を誘い込むのが得策です。

銀河英雄伝説II DX+kit
PC-98
1991/7/19発売
 16ビット機版では8ビット機版の機能に加えて、艦隊編成や部隊の初期配置も変更ができるようになりました。
 シナリオも「ランテマリオ会戦」「ジャムシード降下作戦」「トリプラ星系の戦い」が追加され、計10本となっています。
 また最大部隊数も46に拡張され、艦隊は7艦隊まで出撃可能となったため、かなり大規模な作戦が行えるようになりました。
 惑星占領時に、惑星との距離が遠くなっても反撃時の撃破数は増えなくなったようです。
 通常用BGMは9曲のままですが、一部がボレロ等のクラシック曲に差し替えられました。

銀河英雄伝説III
(PC-98版)

 本作では、銀河マップ上で艦隊の編成や移動などの指示を与える戦略モードが追加されました。そして各星系内で敵艦隊と遭遇すると、従来のような戦術モードに移行し戦闘となります。ゲーム開始時には両陣営とも艦隊は編制されておらず、戦闘は発生していないところからゲームが始まる形となっています。この状態から敵星系を占領していき、敵側の主星系を占領すると勝利となります。(原作の会戦を再現したシナリオが3本収録されていますが、ゲーム開始時の状況が異なるだけで、勝利条件は変わりません)
 本作では提督に副官を付けられるようになり、副官の能力によって提督の弱点をカバーすることが可能になりました。(ただし士気値の低下を防ぐ統率力は、副官の影響を受けないようです)
 艦隊編成に関して変わったのが、揚陸艦が部隊の種類ではなくなったことです。揚陸艦は戦艦・高速戦艦に搭載されている、という扱いになりました。このため、戦艦以外で編成された艦隊は占領に不向きとなります。また、部隊の種類に工作艦が新たに追加され、戦闘で損傷した艦を修理できるようになりました。
 また部隊の構成数がほぼ1桁増えて、戦艦の場合で構成数が3000隻となりました。これにより、ようやく一万隻規模の艦隊が作れるようになりました。
 実際にプレイしてみると、戦略モードはそれほど難しくはないのですが、戦術モードでこれまでの攻略法が通用せずに苦労します。まずビーム兵器が中距離用から遠距離用に変更され、ミサイルが中距離用となりました。ただし巡航艦のミサイルのみ遠距離用のままになっています。
 また、相手部隊の艦数が減ると、同じ攻撃をしても撃墜できる数が減少するようになりました。このため、たとえばビームによる攻撃で一撃目は戦艦600隻程度を撃墜した場合でも、二撃目からは次第に撃墜数が下がっていき、最後には数隻〜100隻前後しか撃墜できなくなるため、10回くらい攻撃しても全滅には至りません。このため、敵旗艦に集中攻撃を加えて一気に旗艦部隊を全滅させることがかなり難しくなっています。本作では部隊間での補充ができなくなったものの、工作艦の修理により回復するため、1ターン中に全滅させられる見込みがなければ、あまり集中攻撃の意味は無さそうです。
 このため最初は違和感のある部分があるものの、全体として2から正当に進化していると言って良いでしょう。
 なお本作はハードディスクにインストールすることが可能なので、かなり快適にプレイできます。(フロッピーディスクのままでもプレイ可能)
<攻略法>
 従来のように旗艦部隊の全滅を狙って攻撃するよりも、敵艦隊全体を均等に攻撃しつつ、修理される数を減らすため工作艦が射程に入った場合は工作艦を狙う、という方針が効果的なようです。(工作艦同士は修理できない)
 味方の消耗は最小限に抑えたいので、十分な工作艦を用意しつつ、敵に狙われないよう配置することが重要です。
 攻撃力が高いのはあまり変わっておらず、攻撃空母の戦闘機と、巡航艦のミサイルです。これらを主力とする場合には補給艦も十分用意する必要があります。
 攻撃空母や巡航艦は占領には役に立たないため、占領時には戦艦や高速戦艦もある程度用意しておく必要があります。

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