銀河英雄伝説II
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PC-98版
1990/10/5発売 |
X68000版
1990/11/30発売 |
シナリオは「神々の黄昏作戦」「ランテマリオの会戦」「ライガールの戦い」「エリューセラの戦い」「バーミリオン会戦」の5本で、最初からキャンペーンモードもあります。
今作ではついに艦隊の射程や防御力に方向性の要素が追加され、敵の背後を突くといった本格的な戦術を駆使できるようになりました。さらに、惑星占領時の惑星からの反撃、艦隊が半自動で行動する「作戦」システムといった追加要素もあります。マウスにも完全対応になったことで操作性が格段に向上しています。
また、前作のパワーアップ&シナリオ集では好きな艦隊を呼び出すことができたため、能力値の低い艦隊を使う意味はあまりありませんでしたが、今作では各惑星に配置された艦隊しか出撃できないため、能力が低い艦隊でも活用する必要に迫られるようになっています。1艦隊の最大部隊数も6部隊に制限されており、1艦隊に全部隊を集めるようなことはできなくなりました。さらに部隊の生産という概念はなくなったため、艦隊だけでなく部隊についても惑星への初期配置が非常に重要となっています。最大部隊数は32部隊となっており、艦隊は5艦隊まで出撃可能です。
BGMがすべてゲームオリジナルのものになり(通常用9曲、戦闘用2曲)、PC-98版とX68000版はFM音源の他にMIDI音源にも対応しています。
このように銀河英雄伝説2は前作から大きく進化している作品ですが、敵部隊との衝突判定の廃止といったパワーダウンもわずかに見られます。
なお、今作ではミサイル使用時に、発射数ではなく残弾数によって計算されているのか、残弾が最大値でないと威力が低下してしまうようです。(この現象は移植版でも未修正です) |
PC-98版の動作速度はV30の10MHzモードで戦闘のないターンの処理が1分弱程度でした。(486の機種でも試したところ、ユーザーディスクを認識せず、ゲームを開始できませんでした) |
X68000版は戦闘のないターンの処理が44秒ほどでした。 |
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X68000版はグラフィックが中間色を用いたものに描き直され、画面の重ね合わせも随所に使用されています。 |
X68000版はPCM音源により、戦闘の効果音がよりリアルになっています。 |
PC-88版
1990/12/21発売 |
MSX2版
1990/12/21(23?)発売 |
8ビット機の移植版では最大部隊数が24に減少しています。
惑星の反撃の威力が距離が離れても変わらなくなっているようです。(PC-98版・X68000版では惑星との距離が遠くなると反撃時の撃破数が大幅に増える)
メルカッツ提督のグラフィックが同盟軍の軍服に変更されていますが、原作で帝国軍の軍服のままだったことが描写されていたので、誤りと思われます。 |
PC-88版の動作速度は8MHzモードであれば、MSXターボRの高速モードと同程度のようです。戦闘のないターンの処理が約1分ほどでした。4MHzモードでは1分半弱でした。
部隊が密集すると表示の一部が欠けたり、化けたりするようです。 |
MSX2版の最大の難点は動作が極めて遅いことです。しかしMSXターボRの高速モードに対応しているので、ターボRであればかなり快適にプレイすることが可能になります。(戦闘のないターンで比較してみたところ、MSX2+で次のターンまで約4分かかっていた処理が1分強で終了しました) |
PC-88版では戦闘解決画面でもBGMが鳴りますが、効果音がまったく無いため、かなり寂しく感じました。 |
MSX2版の戦闘解決画面では、PC-88版とは逆にBGMが無く、効果音があります。このため戦闘用の曲は戦闘入力フェーズにだけ使われています。
なお、戦闘用の曲は切り替えできなくなっていますが、もう一曲はシナリオ開始時などに聞くことができます。
前作からドライバが改善されたのか、BGM全般が非常に良くなっています。 |
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MSX2版のエンディングには、小さい画面で短時間ですが、アニメから取り込んだと思われる動画が追加されています。
さらにターボRでは、動画のあとに音声も流れます。 |
<攻略法>
破壊力の大きい攻撃で、敵旗艦に集中攻撃するという攻略法の基本は前作と変わりませんが、今作では艦隊の方向性が重要となっているため、なるべく敵の側面・背後を突くようにします。とはいえ衝突判定がないため艦隊同士がすり抜けてしまい、敵の移動先を予測するのは困難です。このため敵旗艦を正面に捕らえられないことも多々ありますが、その場合は無理に旗艦を狙うのではなく、消耗しないビームで正面の敵を攻撃しておき、敵旗艦をうまく射程に捕らえたときにだけ集中攻撃を行って全滅を狙う方が良いようです。(ミサイル使用時のバグのため、ミサイル残弾がMAXのとき以外は、ビームを使用した方が無難です)
また今作では惑星から部隊の補充や物資の補給ができるようになったため、なるべく自軍惑星の近くで戦うようにすると、優位に戦うことができます。 |