プロ野球SLG評価詳細
(実況パワフルプロ野球シリーズ)


実況パワフルプロ野球2011    PlayStation3    コナミ

 ペナントレースで、前作のカードシステムは廃止され、新たに年俸等の金銭の要素が加わりました。
 これによりFAで高年俸の選手が取りづらくなるのは良いのですが、低年俸の選手にも人的補償が発生するため、人的補償に見合わない選手がFAしても取るわけにはいかないことがあります。
 FAした選手にどこも交渉球団がないケースも多発するのですが、この場合、退団扱いとなるのか選手がどこにも見当たらなくなってしまうのも難点です。(海外へ行った?)
 試合で操作する場合、ポテンヒットが多く発生するような気がします。強い打球でも内野を抜くことはほとんどできないため、打力の低い選手でポテンヒットを狙う方が打率を稼げるようです。
 試合中の成績による調子変動や、チーム愛による成績の変動といった要素も加わっています。
 しかし全体的にペナントは、ややバランスが整っていない印象です。


実況パワフルプロ野球2010    PlayStation3    コナミ

 ついにPS3での登場と言うことで、さらなる進化に期待していたのですが、進化の方向が期待と全く異なっていました。
 特にペナントでのSLG的要素がかなり薄くなってしまったのが残念です。
 カードシステムの導入により、ランダムで手に入るカードがなければトレードも外国人選手獲得も出来ません。
 トレードはカードが手に入ってもやけにあっさりしたシステムに変わってしまいました。
 また、選手の能力を上げるのもすべて手に入るカード次第なので、欲しいカードがもらえないとなかなか思うような育成が出来ません。
 その割に簡単に優勝できるようになるのは、COMのチームが年数を経ると勝手に弱体化してしまっているためだと思われます。これは選手の最大数があまり多くないのに、新人の初期値が低く育成に時間とカードがかかること、COMは毎年新人を獲得することによるのではないかと思います。
 これまでのシリーズにもあった現象ではありますが、今回はトレードにカードが必要なので、次々にトレードを行いCOMチームの戦力を強化することでバランス調整するということも困難です。
 SLGとしても完成形に近づきつつあったシリーズなので、とても残念です。
 次回作では従来のシステムの復活と、最大選手数の増加、それに伴う2軍試合の搭載を希望します。

 後になって気づきましたが、PSP版はカード方式ではないようですね。これは買うほう間違ったかも……。


実況パワフルプロ野球11    PlayStation2    コナミ

 ペナントに関しては、データが新しいことと、新人選手獲得の仕組みが変わったこと以外に、大きな変化はないようです。
 すでにシステムは完成形ということなのでしょう。やはり最高傑作と言える一作です。
 操作性で最も変わった部分は、内角は引っ張り、外角は流さなければ打球があまり飛ばなくなったことです。慣れるまで、なかなか思うような打撃はできないかもしれません。


実況パワフルプロ野球10    PlayStation2    コナミ

 10のペナントは最大10年間、外国人の補強やFAもあり、監督SLGと遜色ない仕様となっています。
 9まであった自由契約選手の獲得がなくなっていることと、人数が増えていないことは残念ですが、本来アクションゲームであることを考えれば、十分すぎる懲りようだと思います。

 少し気になったのは、観戦しないオートの時には選択した難易度が解除されているらしいことです。
 監督としての操作のみするようにしてSLG風に遊んでみたのですが、最強である「パワフル」の場合、極めて打撃が正確なため巨人ではペタジーニや清原が年間100本以上のホームランを放ち、1試合平均10得点ほどします。
 ところが、これはゲームを観戦していた場合の話で、同じパワフルを選択した状態でも試合をスキップにして結果だけを見ていくと、年間30本すらいかないほど結果が変わってきます。恐らく「パワフル」ではなく「ふつう」か「つよい」あたりで試合が処理されているような気がします。
 これにより、自チームの成績と他チームの成績にあまりにも差がありすぎる状態になってしまいました。打撃3部門の上位に自チームの選手しか入っていないなど、成績の格差がかなり激しくなってしまうようです。
 SLGとしてプレイするときには「ふつう」にしておくのが良いでしょう。

 ゲーム自体は従来どおり高い完成度を保っています。
 ただし自分で操作する場合、打撃の難易度は相変わらず高いです。
 広角打法を持たない限り、引っ張らなければなかなかヒットにはならないのですが、引っ張りになるタイミングは初期のパワプロよりかなり早めで、ボールの軌道を見極めてからではセンター返しにすらなりません。150キロ台の速球の場合、投げたと同時にボタンを押してちょうど引っ張りになるくらいです。
 もう少し、打ちやすくしたほうが良いのではないかと思います。

 とはいえ、新たに加わったマイライフや従来のサクセスなど、楽しめる要素が盛りだくさんで、ゲームとしての完成度はずば抜けています。やはり野球ゲームの最高傑作の地位は揺るぎないでしょう。

COM思考(試合)
投手に代打を出さずに攻撃を終え、直後の回で投手交代するケースが時々あるので、思考パターンにもう少し改善を加えてほしいです。
COM思考(ペナント)
選手の怪我・調子などを考慮して打線を組み替えてきます。あえて捕手を一塁に起用したりと、面白い起用もしてきます。一二軍の入れ替えも、かなり行っているようです。
COM思考(補強)
必要なタイプを考慮してトレードに応じるかどうかを決定するなど、SLG並にしっかりと思考しています。ただ実際にCOMのチームが強くなっていく印象はありません。
選手データ
能力値・特殊技能がたくさん用意されており、よく作られています。
選手数
SLGとしては多いほうではありませんが、パワプロとしては十分の人数でしょう。
選手成長
練習のシステムがかなり変わり、成長も表示されるようになっています。コーチによって上昇値がかわるなど、かなりSLGに近づいてきました。
ドラフト
ドラフトのシステムは8とはまったく異なり、基本的に最初からある一覧の中から注目する選手を指定し、好意度を上げていくというものです。ドラフトまでの間にイベントによって能力値が変動していくのが面白いです。逆指名などはありません。
トレード
選手を直接指定することも、特徴を指定して申し込むこともでき、かなり良くできています。ただ特徴を指定したときにどの選手とトレードになったか分からないままトレードが成立してしまうので、そのトレード内容で良いかどうかだけは確認してほしいです。
試合システム
試合システムは、8から大きな差はないと思います。

実況パワフルプロ野球9    ゲームキューブ    コナミ

 9のペナントは、8のシステムに加えて新外国人の獲得や、FAのシステムが導入され、年数も最大10年間と大幅にパワーアップしています。
 すでに完成度が非常に高いシリーズなので、大きな欠点は見当たりません。
 とはいえ新たに導入されたFAも自チームから宣言した選手と交渉の余地がないのが残念でした。
 細部では、COMが代打を使った後の守備開始時に、代打を出したポジションを守れる選手に交代させ、さらに守備位置を調整しているうちに、交代したばかりの選手を一度も試合に出さないまま、また交代させるという采配がときどき発生しました。このあたりはまだもう少し改良の余地がありそうです。

 なおゲームキューブ版の操作Aタイプだと、送球ボタンの配置とベースの位置がズレているため、スーパーファミコンやプレステに比べると操作に慣れるのが大変でした。


実況パワフルプロ野球2002春    PlayStation    コナミ

 2002春のペナントモードは、前作である2001決定版とほぼ同じ仕様となっており、目立った改良点は見当たりませんでした。


実況パワフルプロ野球8    PlayStation2    コナミ

 アクションゲームでありながら、SLGなど様々な要素を組み入れて進化し続けるパワプロです。
 8では、ついに複数年のペナントが導入され、トレード・ドラフトなどの補強を楽しめるようになりました。
 選手の成長や衰えという要素もあり、監督SLGに近い感覚で遊べるようになっています。
 外国人やFAによる補強はありませんが、元々完成度の高いシリーズなので、十分楽しめるでしょう。

 ただし難点は、打撃システムの難易度が高いことです。
 芯で捕らえたつもりでもなかなか前へ飛んでくれず、かなり上達しなければ勝つことは難しいでしょう。
 難易度を「ふつう」以下にすれば勝ちやすくなりますが、あまりにもCOMが弱くなりすぎるので、「つよい」と「よわい」の中間がほしいところです。
 また、「つよい」以上の場合、COMが無意味に何度も牽制を繰り返すのが気になりました。
 投球一球ごとに、牽制5球前後してくることが多く、集中して打つことができません。これは、いくらなんでもやりすぎでしょう。
 選手の能力変化が特に表示されないので、元の能力値を覚えておかないと、いつどこが変化したのか分からない、というのも惜しい部分でした。

 しかし、全体として非常に作りこまれており、野球ゲームの傑作と呼ぶことができるでしょう。

COM思考(試合)
代打後の守備位置再編で無駄な手順が多いです。これだけは初期のパワプロから改善されないのはなぜなんでしょう? また、こちらが体力の都合で投手を交代しただけで、右対左になっているのに代打を出してくるケースがよくありました。投手が残っているのに、「お休み」の抑え投手を無理に登板させたりすることも多かったです。
COM思考(ペナント)
選手の怪我・調子などを考慮して打線を組み替えてきます。あえて捕手を三塁に起用したりと、面白い起用もしてきます。
COM思考(補強)
必要なタイプを考慮してトレードに応じるかどうかを決定するなど、SLG並にしっかりと思考しています。
選手データ
能力値・特殊技能がたくさん用意されており、よく作られています。
選手数
SLGとしては多いほうではありませんが、パワプロとしては十分の人数でしょう。
選手成長
二軍選手に大まかな練習指示を与えると自動的に成長する
システムとなりました。若手は一年でかなり成長します。どう成長したのか表示されればさらに良かったのですが…。
ドラフト
スカウトに能力を調査させて候補を絞り込んで行くシステムはなかなか面白いです。
トレード
選手を直接指定することも、特徴を指定して申し込むこともでき、かなり良くできています。
試合システム
SLGと融合したパワプロ、という感じですね。これ以降のシリーズではさらにSLG的な要素が強化されているようなので、今後が楽しみです。

実況パワフルプロ野球2001    PlayStation    コナミ

 2001のペナントモードはドラマティックペナントのみで、選手の育成やトレードが可能となっています。
 育成が可能なのは、キャンプでは1軍選手の全員、シーズン中は2軍選手の全員です。育成方法はサクセスを短期間にしたもので、練習で貯めた各経験点を用いて能力を上げる方式です。2軍選手もシーズン後半には主力級に育てることが可能となっていますが、コンピュータのチームは育成を行わないようなので、プレイヤーに有利すぎる気がします。なお本作では、1軍選手が試合で活躍しても能力の変動はなくなっています。
 トレードは同一リーグ内の2軍選手同士のみ可能なシステムとなっています。選手の能力に関係なく、申し込んだトレードは必ず成立します。このようにトレードもプレイヤーに有利な仕組みとなっています。
 ペナント中の試合はプレイヤーのリーグのみで行われており、日本シリーズの相手チームは前年優勝チームとなります。日本シリーズ中、相手チームの先発投手は登板間隔の制限が無いようで、同じ投手が連続登板してきました。(ホークスのラジオが7戦中5戦で先発してきた)
 日本シリーズ中もファームとの入れ替えが可能ですが、このとき昇格した選手の調子は入れ替え前の選手のものになるようです。


 
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